営業管理・商談管理を自社に合わせて作るには?SFAが合わないときの選択肢

営業の見える化のためにSFA(営業支援システム)を導入したものの、気づけば入力しているのは一部の担当者だけ。管理者は結局、会議のたびに口頭で進み具合を確認している――こうした状況は珍しくありません。SFAが合わないと感じたとき、運用を見直すべきか、自社に合わせた仕組みを作るべきか。その見極め方を解説します。

SFAが定着しない、よくある理由

  • 入力項目が多すぎる:使わない項目まで入力を求められ、記録が面倒になる
  • 入力しても担当者が得をしない:管理者のための入力になっていて、営業担当者の役に立たない
  • 自社の営業の流れと合わない:商談の段階や、案件の進み方がツールの想定と違う
  • 他の業務と二重入力になる:見積や案件管理を別のExcelで行っていて、同じ内容を何度も入力する
  • 外出先で入力しにくい:事務所に戻ってからまとめて入力するため、記録が遅れる

このうち、上の2つはツールを替えなくても、運用の見直しで改善できることがあります。下の3つが中心的な原因であれば、自社向けの仕組みを検討する価値があります。

まずはSFAの見直しで足りないかを確認する

  • 入力項目を、本当に使っているものだけに減らせないか
  • 商談の段階(ステージ)を、自社の営業の流れに合わせて設定し直せないか
  • 営業担当者が見たい画面(今日の予定、次の行動など)を用意できないか
  • 会議や報告をSFAの画面で行うなど、使う理由を作れないか

これらで解決できるなら、新しい仕組みを作る必要はありません。既製ツールと自社開発の比較の考え方は自社専用システムは本当に必要?で解説しています。

自社向けの営業管理が向いているケース

状況自社向けの仕組みでできること
営業の流れが独特自社の商談の段階や、業界特有の手続きに合わせて作れる
見積・案件管理と分かれている商談から見積、受注、案件へと一つの流れでつなげられる
使わない機能が多い必要な項目と画面だけに絞れる
利用者数に応じた費用が負担利用者数で費用が増えない構成も検討できる

小さく始める営業管理の4つの機能

自社向けに作る場合も、最初から多機能にすると、SFAと同じ理由で定着しなくなります。まずは次の4つから始めるのがおすすめです。

  1. 商談一覧:担当者、段階、金額、次の行動の日付で絞り込める
  2. 商談の段階:自社の営業の流れに合わせた、少数の段階
  3. 次の行動:「いつ、何をするか」を一つ登録し、期限が近いものを一覧で確認できる
  4. 活動履歴:訪問、電話、メールなどの記録を、商談ごとに時系列で残す

特に「次の行動」は、営業担当者にとって役に立つ機能です。自分のやるべきことが一覧になれば、入力する理由が生まれます。

定着させるための設計のポイント

  • 入力は短く:必須項目は最小限にし、選択式を増やす
  • 外出先から入力できる:スマートフォンで、訪問直後に記録できる画面を用意する
  • 担当者のための画面を先に作る:管理者向けの集計より、担当者が毎日開く画面を優先する
  • 二重入力をなくす:顧客情報や見積は、他の仕組みと共通にする

顧客情報の管理と一体で考える場合は顧客管理をExcelからWebアプリに移行するタイミングと進め方、受注後の管理とつなげる場合は案件管理システムを小さく作るには?もあわせてご覧ください。

管理者が見たい情報も整理しておく

営業担当者の使いやすさを優先しつつ、管理者が見たい情報も最初に整理しておきます。

  • 段階ごとの商談の件数と金額
  • 担当者ごとの商談の状況
  • 次の行動の期限が過ぎている商談
  • 受注・失注の件数と、失注の理由

こうした情報は、担当者が日々の入力をしていれば、自然に集計できるようになります。逆に、集計のためだけの入力項目を増やすと、定着の妨げになります。

商談の段階を決めるときのポイント

営業管理の使いやすさは、商談の段階(ステージ)の決め方で大きく変わります。段階が多すぎると更新されず、少なすぎると状況が分かりません。

  • 段階は少なめに:まずは5つ前後から始め、必要に応じて分ける
  • 条件を一文で決める:「提案書を送付したら」「見積もりを提出したら」など、次の段階に進む条件を明確にする
  • 自社の営業の流れに合わせる:一般的な段階の名前ではなく、自社の営業で実際に使っている言葉を使う
  • 失注の理由を残す:失注した商談は、理由を選択式で記録しておくと、後で振り返りに使える

段階の定義が曖昧だと、担当者によって同じ状況でも段階が異なり、集計した数字が意味を持たなくなります。営業会議で使う前に、段階の定義を全員で確認しておきましょう。

導入の進め方

  1. 今の管理方法を確認する:SFA、Excel、手帳など、実際にどこで何を管理しているか
  2. 段階と必須項目を決める:最小限の項目と、段階の条件を決める
  3. 一部の担当者で試す:外出先からの入力も含めて、実際の営業活動で使ってもらう
  4. 会議や報告で使う:営業会議を新しい画面で行うなど、使う場面を作る
  5. 全体に広げる:既存の商談データを移し、旧来の管理方法をやめる

4の「使う場面を作る」は、定着のために特に効果があります。入力された情報が会議や意思決定に使われると分かれば、担当者が入力する理由が生まれます。

既存のSFAから移る場合の注意

既存のSFAから自社向けの仕組みに移る場合は、どの情報を移し、どの情報は移さずに参照用として残すかを決めておきます。活動履歴の全件を移すより、進行中の商談と、今後も使う顧客情報に絞るほうが、移行の負担を抑えられます。契約期間や解約の条件も、あわせて確認しておきましょう。

商談から見積もり、請求までを一つの流れにしたい場合は、見積書・請求書の作成をシステム化すべきか?もあわせてご覧ください。

定着しない理由から、一緒に整理します

営業管理の仕組みは、機能の多さより、担当者が入力し続けられるかで価値が決まります。今の管理方法と、定着しない理由、管理者が本当に見たい情報を伺い、必要な項目に絞った仕組みの範囲を一緒に考えます。既存のSFAの見直しで足りる場合は、その旨をお伝えします。

よくあるご質問

SFAとCRMの違いは何ですか?

一般に、SFAは営業活動(商談の進み具合、訪問や連絡の記録など)の管理、CRMは顧客との関係全体(顧客情報、問い合わせ、購買履歴など)の管理を指すことが多い言葉です。ただ、製品によって機能は重なっており、言葉の違いよりも、自社が何を管理したいかで選ぶのが現実的です。

営業担当者が外出先で入力できるようにできますか?

スマートフォンから入力しやすい画面にすることは可能です。外出先での入力を想定する場合は、入力項目を最小限にし、選択式を増やすなど、短時間で記録できる設計が大切です。

今使っているSFAのデータは移せますか?

多くのSFAはCSVなどでデータを書き出せます。ただし、活動履歴や添付ファイルなど、移しにくいデータもあるため、書き出せる範囲を最初に確認しておきましょう。

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