Googleフォームの申込管理に限界を感じたら|回答管理をWebアプリ化する方法

セミナーの申込、問い合わせ、各種の受付――Googleフォームを使えば、受付の仕組みはすぐに作れます。回答は自動でスプレッドシートにたまり、最初のうちはそれで十分です。ところが件数が増えると、回答シートに「対応状況」「担当者」「メモ」の列が増え、誰がどこまで対応したのか分からなくなっていきます。フォームの回答管理に限界を感じたときの選択肢と、最小構成の作り方を紹介します。

Googleフォームが得意なこと・苦手なこと

Googleフォームは「受け付ける」ための道具です。受け付けた後の業務を管理する機能は、基本的には備わっていません。

得意なこと苦手なこと
すぐにフォームを作って公開できる受付ごとの対応状況の管理
回答をスプレッドシートに自動で集める担当者への振り分けと、担当ごとの一覧
選択肢や必須項目の設定同じ人からの重複した申込のチェック
無料で始められる申込者による内容の確認・変更

回答シートの運用が限界に近づいているサイン

  • 回答シートに、対応状況・担当者・メモなどの列を手で足している
  • 複数人が同じシートを編集し、誰がどこまで対応したか分からなくなる
  • 同じ人から重複した申込があっても、気づくのが遅れる
  • 申込者から「申込内容を変更したい」「受付されているか確認したい」と連絡が来る
  • フォームの項目を変更したら、シートの列がずれて管理が崩れた
  • 受付後に送る案内や確認の連絡を、一件ずつ手作業で送っている

まずは運用の改善(シートの保護、担当者ごとの絞り込み表示、自動返信の設定など)で解決できる部分もあります。それでも上のサインが複数当てはまるなら、受付と管理を一つの仕組みにまとめることを検討する時期です。スプレッドシートの運用全般の限界については、Googleスプレッドシート管理を卒業するべきタイミングで解説しています。

最小構成の申込管理アプリ

回答管理をWebアプリにする場合、最初の版は次の5つで十分に業務を回せます。

  1. 受付フォーム:今のフォームと同じ項目で受け付け、申込者に自動で受付完了を知らせる
  2. 受付一覧:ステータス、担当者、受付日で絞り込み・並べ替えができる
  3. 詳細と対応履歴:申込内容と、誰がいつ何をしたかを時系列で残す
  4. 担当者とステータス:担当を割り当て、「未対応」「対応中」「完了」などで管理する
  5. 通知:新しい受付があったら、担当者や管理者に知らせる

重複のチェック(同じメールアドレスからの申込を知らせるなど)、申込者のマイページ、受付件数の集計、定員の管理などは、運用を始めてから必要に応じて追加できます。

用途別に考えたい追加機能

用途追加を検討したい機能
セミナー・イベントの申込定員の管理、キャンセル待ち、参加者への一斉連絡
問い合わせ・相談の受付カテゴリによる担当者の自動振り分け、対応期限の通知
サービスの申込・審査書類の提出、審査のステータス、結果の通知
予約の受付空き枠の表示、日時の重複防止、リマインド

予約の受付が中心であれば、予約システムは既製サービスと独自開発のどちらを選ぶ?もあわせてご覧ください。

移行の進め方

  • 今のフォームの項目と、回答シートで手作業で足している列を書き出す
  • ステータスの種類と、それぞれの意味を決める
  • 担当者の決め方(手動で割り当てるか、条件で振り分けるか)を決める
  • 申込者に送る連絡(受付完了、確認、結果など)の文面を用意する
  • 過去の回答を移行するか、切り替え日以降の受付から新しい仕組みにするかを決める

電話やメールで受けた申込も同じ一覧で管理したい場合は、管理画面から手入力で登録できるようにしておくと、窓口が分かれていても一元管理できます。考え方は紙・電話・FAXの受付業務をWebアプリ化するには?で解説しています。

申込者への連絡も設計の一部

回答の管理をWebアプリにすると、申込者への連絡も仕組みの中で扱えるようになります。どの連絡を自動にし、どれを担当者が個別に送るかを決めておきましょう。

連絡の種類自動にしやすいか決めておきたいこと
受付完了自動にしやすい受付内容の控え、今後の流れ、問い合わせ先
確認・確定ステータスの変更に合わせて送れる確定の条件と、文面の内容
リマインド日時が決まっていれば自動にしやすい送るタイミングと回数
個別の回答担当者が内容を書く送信の履歴を、受付ごとに残すかどうか

今、電話やメールでよく聞かれていることを、受付完了や確認の連絡に含めておくと、問い合わせそのものを減らせることがあります。

フォームの項目を見直す機会にする

Googleフォームで運用してきた項目は、そのまま引き継ぐ前に一度見直す価値があります。長く使っていると、使われていない項目や、回答がばらばらで集計に使えない項目がたまっていることがあります。

  • 回答を実際に使っていない項目は、外せないか
  • 自由記述で回答がばらばらな項目は、選択肢にできないか
  • 受付後に担当者が電話で確認している内容は、フォームで聞けないか
  • 入力の負担が大きく、途中でやめる人が多そうな項目はないか

項目が整理されると、申込者の負担が減り、受付後の対応も速くなります。

個人情報の扱いにも注意する

申込や問い合わせの内容には、氏名や連絡先などの個人情報が含まれます。Webアプリにするときは、誰が申込の内容を見られるか、データをいつまで保存するか、書き出しを誰ができるかも決めておきましょう。フォームで集めている情報のうち、業務に使っていないものがあれば、この機会に集めるのをやめることも検討できます。

受付の窓口がLINEにもある場合は、LINEで受けている予約・問い合わせを管理するには?もあわせてご覧ください。

今のフォームを起点に、小さく作ります

フォームの項目と、回答シートに手作業で足している列(対応状況、担当者、メモなど)を見せていただければ、最小構成の申込管理アプリに何が必要かはすぐに見えてきます。受付の窓口が電話やLINEにもある場合は、その件数の割合もあわせてお知らせください。一つの管理画面にまとめる範囲を、一緒に決めていきます。

これからホームページに受付フォームを設ける場合は、問い合わせ・予約・申込ができるホームページを作るには?で、フォームを付ける前に決めておきたいことをまとめています。

よくあるご質問

Googleフォームの見た目のまま、裏側だけWebアプリにできますか?

フォームの回答を取り込む形で連携できる場合もあります。ただ、受付と管理を一つの仕組みにまとめたほうが、重複のチェックや申込者への自動返信などを自由に設計できます。移行の負担と効果を比べて決めるのがおすすめです。

過去のフォームの回答は移行できますか?

回答のスプレッドシートをCSVで書き出して取り込めます。ステータスや担当者を手で書き込んでいた列は、表記がばらばらなことが多いため、移行前に整理が必要です。

申込者が自分の申込内容を確認・変更できるようにできますか?

できます。申込完了時に確認用のリンクを送る、マイページを用意する、といった方法があります。変更を受け付ける期限や、変更できる項目の範囲もあわせて決めておきます。

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